王様とアタシの絶対恋愛制度
広い王宮内に大勢の使用人のざわめきが響いた
近くにいる者とひそひそと話す人
怒りの表情で、こちらを睨みつける人
慌てふためいたように目を泳がすもの
焦ったようにさっきよりも多い頻度で王様の顔色を伺う人
呆れたような、唖然としたようなそんな顔でたたずむ人
王宮のその一室はもはや大混乱状態
ただ・・・
相も変わらず表情一つ変えない王様
しかし、しばらくするとそんな王様の表情にも変化があった
それは、怒りでもない、悔しさでもない、悲しさでもない
むしろ楽しんでいるように、何かを企んでいるように見えた
「な、何よ?」
あたしは、王様の意外な表情に動揺しないはずがなかった
すると王様はさっきよりももっと楽しそうな顔であたしに歩み寄り
その距離が縮められた
「上等じゃねーか」