秘密の部屋で

翔の目つきは冷たくなり、抱きしめられていた腕は離された。




「もういい。勝手にしろ」



そういい残して部屋を出ていってしまった。





・・・あぁ、失望された。



そりゃそうだ。



私は翔の何でもないんだから。




そう思った私はやけに冷静だった。



だって私が冷たいことを言ったんだから。




優しく頭を撫でてくれたのに



優しく抱きしめてくれたのに



それを振り払ったのは、私だ。
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