さよならLetter

ペンションの1階のフロアはレストランになっていて、宿泊客はプランに入っているけど、そこで夕食を取る事になっている。朝食も同じ。



「カップルにはここの席がオススメだよ」


オーナーがフロアの奥の窓側のスペースに案内してくれた。

ここから夜景が一望出来て、ボクもルウコもはしゃいでしまった。



料理が運ばれてくる前にルウコはポーチから錠剤を何個か出して水で飲み干した。


ルウコから病気の事実の聞いてから、食事の前に薬を飲んでいる場面をよく目にする。フェスの時も焼肉を食べる前に飲んでいた。


「薬ってさ、食後に飲むんじゃないの?」


ボクが聞くとルウコは「普通わね」と答えた。


「この薬は塩分とかカフェインとかを摂取しないように事前に飲む薬なの。食後には食後の薬あるよ。カロリーが高い食べ物食べる時には絶対事前に飲まなきゃいけないんだよね。」



話を聞いていて思い出した事があった。



「前にさ、付き合う前。マック行った時、店員にカロリーの話してただろ」


「あー、あの時ね薬持ってなくて焦ったよー。だからどれでもいいからカロリー低いの頼まなきゃって思ったの。意外よね、ハンバーガーが一番低かった」


「あの後、大丈夫だったのか?」


「うん。利尿剤飲んだから。利尿剤飲むと吸収しないでお手洗いで流れるし」




マックで一瞬固まった理由がやっとわかってスッキリした。
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