さよならLetter

「ソウちゃん」


ベッドに2人で寝転んで話をしていたけど、ルウコが真面目な声で言った。


「何?」


「あの…、お風呂ってどっちから先に入るものなの?」


「え?」


真っ赤になっているルウコを見て、ようやく意味を理解した。

ボクもつられて赤くなってしまう。


「いや、どっちでもいいと思うけど…」


「あたしわからないんだから、ソウちゃんがちゃんと教えてよ!!」


枕を投げられてしまってもボクもよくわからない。



(一緒に入る?なんて言ったら殺されそうだな)



「もー!!早く教えてよ!!」


ルウコは足をバタバタさせて怒ってるような困ったような顔をしている。


「じゃあさ、ルウコから先に入れば?男の後の風呂なんてイヤだろ?だから先にどうぞ」


ボクのぎこちない提案に、

「そういうものなの?」

と聞いてきた。


「いや…わかんないけど、何となく…」



ルウコは立ち上がって風呂道具でも入ってそうなポーチを出して、クローゼットの中からバスタオルを出した。

でも、風呂に行きかけて急に振り返る。



「別に覗かねぇから大丈夫だよ」


ボクが笑いながら言うと、首をブンブン振った。


「やっぱり、ソウちゃん先に入って」


「え?何で?」


「心の準備したいから!!ほら、早く!!」


持っていたバスタオルを押し付けてきた。


ボクは何だかよくわからないまま先に風呂に入る事になってしまった。
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