さよならLetter
結婚式が始まってバージンロードで待っているとドアが開いて、ルウコとルウコの父親が並んで立っていた。
周りがザワつくくらいルウコはキレイだった。
静かにゆっくりと歩いてくるのをボクはジっと見ていた。
ルウコはときおり小声で父親と何か話しているようで、笑顔になったり、少し涙目になっていたりしている。
ボクの前にきて、ルウコの父親がボクに言った。
「本当はやりたくないんだからな」
ボクはその言葉を聞いて笑ってしまった。
ルウコの妊娠に真っ先に喜んだのはこの人じゃないか。
「わかってますよ」
笑いをかみ殺してボクが答えると「どうだかな」と言って、ルウコをボクに引き渡した。
ルウコはボクを見上げるとニッコリ笑った。
それからちょっと眉間に皺を寄せて言った。
「またお腹大きくなったみたいなの。ちょっとキツイのよドレス」
「え?我慢できる?」
「そんなに目立つほどじゃないし、我慢できる程度だから平気」
ボクの腕に腕を絡ませて神父の所へ行く途中、ルウコは呟いた。
「ソウちゃん・・・、幸せになろうね。今よりもっともっと」
「うん」
ボクはルウコに微笑んだ。