さよならLetter
最後の手紙
去年のちょうと今日。
・・・いや、その1週間前、ルウコは料理をしている最中に倒れた。
今回の発作はちょっとひどいな、とボクが思っていたら医者から信じられない事を言われた。
「奥様の心臓はもうほとんど機能を失っています。もって4,5日でしょう」
え?
何だって?
ボクの思考回路は一瞬で停止した。
「高柳さん?」
医者の声で我に返った。
「・・・4、5日って・・・、それはルウコ・・・妻が死ぬって事ですか?」
ボクは掠れる声で聞いた。
医者は神妙な顔で頷いた。
ちょっと待ってくれよ。
4,5日で死ぬって何だよ。
この人何言ってんだよ。
「ちょっと、何言ってるんですか」
ボクは半笑いで呟いた。
「ご主人もご理解していた事ではないですか?奥様の病気の事は」
冷静な答えが返ってくる。
知ってるよ。
わかってるよ。
でも・・・そんな急に言わないでくれよ!