さよならLetter
重い足取りで病室に戻ると、ツナミとルウコの笑い声が聞こえた。
ドアを開けるとツナミはボクを指差して笑った。
(何か、何か言わないと・・・ツナミにはわからないように・・・)
一呼吸してツナミに言った。
「親を指差さない」
その途端、ツナミは楽しそうに笑い声を上げた。
「父ちゃん、お勉強しないでグーグー寝てたんでしょ」
「は?」
「それとぉ・・・サッカーの練習サボってたんでしょ」
「ツナミ、何言ってんだ?」
ボクが眉間に皺を寄せるとツナミはルウコを見て笑った。
「ママが教えてくれた。父ちゃんは寝てばっかりって。今もそうだよね」
「ねー」
ルウコがツナミと声を揃えた。その声はいつもと違って張りは全くない。
それでも、ルウコはツナミにいつもと変わらないで接していた。
その姿を見てボクは泣きたくなった。
何でルウコが死ななきゃいけないんだよ・・・。