さよならLetter
休み時間になって、ボクが廊下に出ると周りがみんな注目している。
まぁ、そうでしょうね。
あの『柏木 流湖』と噂になるんだから。
一緒にいた幹太も呆れている。
「すごいな、柏木さんの彼氏かもしれないってだけでこの騒ぎ」
「だから、何度も言うけどオレとルウコはそんなんじゃないから」
周りに聞こえるくらいハッキリ言った。
「まぁ…友達?だっけ。でも『大好きなソウちゃん』なんだよな」
幹太の含み笑いにため息をつく。
「だから、友達!メル友みたいなもんだって」
いくら相方の幹太にも手紙の話は出来なかった。
恥ずかしいし、それに…ルウコの意図がわからないにしろ、これはルウコも隠しておきたいんじゃないか、そう思ったから。
下駄箱の手紙。
それは大きな秘密が隠されてる、そんな気がするから。