さよならLetter

どこに行っても周りが騒がしくてうっとおしいから図書室に行く事にした。



昼飯のパンを持って図書室に入ると人はほとんどいなくて安心する。



どこに座ろうか…周りをキョロキョロしていると、日当たりがいい窓側にルウコがいた。


弁当箱を横に置いて、何かを真剣に読んでいた。



「何、読んでるんだ?」


ボクが声をかけると、ルウコはビックリして顔を上げた。


「あ…ソウちゃん」


読んでいた分厚い本をパタンと閉じて脇に置いた。


(何の本だろう?)


わかっているのは、ボクには無縁そうな難しそうな本だって事だ。



ボクはルウコの向かえに座ってパンを口に入れた。



ルウコはボクを見て言った。


「ソウちゃん、パン…5コも食べるの?」



「え?いつもそうだけど?ルウコも食いたいなら1コやるよ」


クリームパンを渡そうとすると、ルウコは笑った。


「あたしはお弁当あるから大丈夫だよ」


「そうか?で、ルウコは一人で飯食ってるの?」


「うん。明日香は彼氏とご飯だから。いつもここで食べてるの」


ルウコも弁当を出して食べ始めた。


「ふーん。つまんなくない?」


ボクの疑問に寂しく笑っている。


「まあ、いつもはそうだけど、今日はソウちゃんがいるから嬉しいよ」


ボクを見てニッコリする。


(その笑顔は犯罪だぞ)


心臓がドキドキする。
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