さよならLetter
ボクのドキドキなんてまるでわかっていないルウコは思い出したかのように、一冊の本をボクに出した。
「ジャーン!これから勉強なの」
それはワールドカップの特集のサッカー雑誌だ。
「あー、メッシ?」
ボクはちょっと笑ってしまった。
「何で笑うのよ。だって、あたしメッシって名前しか知らないんだもん」
ちょっとむくれた顔をしている。
「ルウコにわかるかな?サッカーは奥が深いんだぞ。他にもスゲー選手がいっぱいいるからな」
「これからわかろうとしてるんだから!」
ムキになってる姿はやっぱり可愛い。
「あ、じゃあさ、手紙に課題」
ボクは思い付いた事を言った。
「課題?」
「ルウコがその雑誌を見て、すごそうと思った選手を書いてみて」
ボクの課題に眉間に皺をよせた。
「あたしサッカー詳しくないもん。難しいよ」
「適当でいいよ。思い付いた人で」
ボクは無意識に笑っているみたいだ。
ルウコと話すのは楽しい、素直にそう思う。