さよならLetter

ボクはチラっと後ろを見た。


やっぱりルウコがあのデカイ目でボクをジっと見てる。


「ソウちゃん?」


小声でちょっと心配そうに言った。


ボクとルウコの席は窓側。ボク達の席の間にはいい感じにカーテンが揺れている。


「・・・左手」


ボクも小声で言った。


「え?」


「左手、見えないように前に出して」


ボクの言ってる意味を理解出来ないみたいだけど、ルウコは遠慮がちに左手を下から差し出した。


ボクはその左手を握った。ルウコの手はもう夏だってのに冷たい。


「ソウちゃん・・・」


ルウコのちょっとビックリした声が聞こえた。


「課題、正解だったから。ジェラード、正解」


ルウコはボクの手を握り返してきた。


「やった、当たった」


嬉しそうな小さな声が聞こえる。


「今日、部活休むからさ、帰り・・・一緒に帰る?」


言っただけでボクの顔はまた赤くなる。


「うん!」


ルウコの嬉しそうな声。もう一度しっかりと手を握り返してきた。


ボク達は授業中ずっと手を繋いでいた。
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