さよならLetter
「はぁ!?」
幹太はデカイ声でほぼ叫ぶような声を出した。
その幹太の口を塞いで「静かにしろよ!」と慌てて言った。
幹太が「わかった」というジェスチャーをしたから口から手を離した。
「それって、お前が柏木さんと付き合うって事?」
驚きを隠せないで聞いてくる。
「どうだろ?わかんねーよ。どうすればいいのかもわかんねーし」
幹太は腕組をして「そうかぁ」と悩んでいた。
ボクから見ても、爽やかな幹太の方がモテると思う。
事実、サッカー部内で告られる回数は常に上位。ちなみにボクは真ん中。
幹太は小学校が一緒だった「ミサ」という女の子と偶然再会して、今、付き合うかどうかの瀬戸際の状態にいる。
「あ、あんまり時間ねーんだよ。ルウコ待たせてるし」
ボクはお気に入りのフォッシルの腕時計を見た。
「ソウ」
行きかけるボクを呼び止めた。
「ん?」ボクが振り返ると、幹太は笑顔全開の顔で言った。
「ソウにその気があるんだから、付き合っちゃえよ!大丈夫だよ」
「まだ、わかんねーよ」
そう言うボクの背中をバンっと思い切り叩いた。
「いってぇ」背中をさすりながら幹太を睨む。
「大丈夫だって、お前が思ってる事を言えば上手くいくから!」
幹太ってやっぱりイイ奴だ。そう思った。