さよならLetter

「見れないと絶対ショック」とルウコが言うから、イルカショーを最初に見ることにした。


席もイルカのまん前。


(水しぶきが・・・!!)


ボクはそう思っていたけど、ルウコは横でキャーキャー言っている。


プールに3匹のイルカが立って並んでいて、飼育係の女性がチビっこに話し掛けるように言った。


『はーい、ではこれから皆さんにイルカ君達にエサをあげてもらいたいと思いまーす!』


そして飼育員はイルカに向かって話しをしている。


『そっかー。はーい、決まりました!!そこの女性の方、お願いできますか?』


飼育員が向けている手のひらはボク達の方に向いている。


「ソウちゃん、まさか・・・あたし?」


ルウコがボクを見た。また飼育員の声が聞こえる。


『はーい、あなたです!彼氏さんに話し掛けたお団子ヘアのあなたですよ』


ボクはまた吹き出しそうになった。
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