さよならLetter
「どうぞ」
その声は紛れもなくルウコの声でボクは胸が痛くなった。
(何で手ぶらできたんだろう・・・)
下らない事が頭をよぎる。
病室のドアってこんなに重たかった?気のせいか?と思いながら引き戸を開けた。
「明日香ー?」
ベッドの上で身体を起こしていたルウコが覗くようにこっちを見た。
ボクがドアのそばで突っ立ていると、笑っていたルウコから笑顔が消えた。
「ソウちゃん・・・?どうして?」
・・・あれ?足ってこんなに重かった?
何でボクの足は全く動かないんだろう。
そして何でジャーシ姿のまんま来たんだろう?
何で?
ルウコ、何でお前はそこに、ベッドにいるんだ?
ここは病院で、病院ってのは病気やケガの人が来るところなんだよ。
いつも元気に明るくボクに笑いかけるキミが何でそこにいるの?
「何で・・・・」
ボクは掠れた声で呟いた。