さよならLetter
ボク達はそれから長い間沈黙だった。
ボクは自分のちょっと汚れたスニーカーを見ていたし、ルウコは個室のこの病室の大きな窓に目を向けていた。
そっとボクの手にルウコの手が触れた。
顔を上げるとルウコが笑顔でボクを見ていた。
「ルウコ・・・?」
「あのね、ソウちゃん。聞いてほしいの」
「何を?」
「あたしの病気の事、ちゃんと話すから理解して」
ギュっと手を握られる。相変わらずルウコの手は冷たかった。
「あたしの病気・・・治らないの」
「え?」
「一生治らないの。でも、勘違いしないでね」
「勘違いって何を・・・?」
「治らないからってすぐ死ぬとかじゃないの」
それからルウコは自分の病気について話し出した。