さよならLetter
ルウコがこの病気になったのは中学2年の春。
健康診断で心電図で引っかかって病院で再検査をして病気がわかったらしい。
「心臓病です、って言われてもね自覚症状もないし心臓移植するとかそういう種類でもないの。発作はあるんだけど、心臓発作とはちょっと違う」
ルウコの発作は突然の貧血。それも重度の貧血。
それが何度も続いたら・・・・。
「発作がずっと続いたら心臓発作っていうか、心筋梗塞みたいになって死ぬんだって」
生活で注意すべき事は、過度の運動、ストレス。だから体育もたまにしか参加出来ない。
「何か治療してんのか?」
ボクが聞くと首を振った。
「新しい病気でね、症例も少ないらしいの。自覚症状がないから治療のしようもないのよ」
そしてフフフとちょっと笑った。
「治療ってせいぜい今日みたいに3ヶ月に1回、検査入院するくらい。後は貧血が発作だから、血圧を上げる薬を飲んでるくらいなんだよ」
ボクは今、どんな顔をしているんだろう?
自分じゃちっともわからなかった。
「でも」
ルウコは笑いながら・・・だけどそれはすごく悲しそうな笑顔で言った。
「あたしがいずれこの病気で死ぬのは間違いないの。それが明日なのか、10年後、20年後かはわからないけど、必ず死ぬのよ。みんなより早くね」