さよならLetter
向き合う
ルウコからの手紙を読んでため息が出た。
前ならあの「柏木」がボクに片思いをしていたなんて…と少し嬉しかったかもしれない。
でも、手紙の中身はもっと複雑で重たいものだ。
生き甲斐だなんて、そんな事言わないでほしい。
もっと気楽にボクと一緒にいてほしい。
ボクといる事で、ルウコの気持ちから1秒でも病気の事が頭から離れるなら…
ルウコが病院でボクに病気の事実を打ち明けてくれた時、何で涙なんて流してしまったんだろう…
今更後悔が押し寄せてくる。
何か言葉にすれば、ルウコは楽になれたんじゃないのか?
そんな気持ちがずっとボクの心を支配している。
でも、ボクはその事実をただ心の中に無理矢理突っ込むだけしか出来なくて…
何でボクはこんなにガキなんだって自分をただ責める事しか出来ない。
「何でオレってまだ高校生でガキなんだよ」
思わず弱音が出てしまう。
いつも通りのHR中の屋上。
自分の苛立ちをフェンスにぶつけるように思い切り蹴っ飛ばした。