さよならLetter
「ソウちゃん!またHRサボって」
教室に戻るとルウコがふてくされている。
「手紙読んでたからな」
ボクはルウコの頭に手を置いて微笑んだ。
そんなボクを見てルウコはニヤニヤしていた。
「何だよ」
「明日香もいなかったから浮気してたんでしょ」
「はぁ!?」
ビックリするボクに対してルウコは変わらずニヤニヤしている。
そしてボクの腕に抱きつきながら言った。
「確かに明日香は可愛いけど、彼氏いるんだからダメだからね。それにソウちゃんにはあたしがいるでしょ?」
そんな言葉に明日香もニヤニヤしていた。
「ソウちゃん優しいからさ、ルウコ、たまに貸してよ。癒されたいわ、あたし」
「絶対イヤ、ソウちゃんはルウコが一番だよね?」
話を振られて「え?」と聞き返す。
「もー!またぼんやりしてる、ソウちゃんっていつもぼんやりしてるんだから」
「別にぼんやりしてねぇよ」
ボクはルウコの頭をグチャグチャにした。
「ちょっと!ヒドイよ!」
文句を言ってるルウコを見て笑ってしまう。
でも、心の中では葛藤していた。
ボクはルウコを今まで通りに見れるだろうか?
好きだという気持ちが薄くなったって事はまるでないけど、病気が常に頭にある。
それを態度や言動に出さないでいられるだろうか?