さよならLetter
放課後、いつも通りの部活風景。
「今日はルウコちゃんいないんだな」
幹太がボールに座りながら言った。
「明日香とフェスで着る服買いに行ったよ」
ボクもボールに座りながら言った。そして、座っていたボールをよけて、また別のボールに座り直す。
「これ空気抜けてる」
そう言って、さっき座っていたボールを後輩の所に転がした。
「ルウコちゃんの事は明日香から聞いたけど…」
幹太の言葉に「うん」とうなずいた。
「ソウ、お前大丈夫なのか?」
「オレ?」
「いや…話がベビーすぎるだろ。何て言うか…」
「助からない、いずれは死ぬって事?」
言葉の続きを言うと、幹太は苦い顔をした。
「まぁ…軽い話ではないし、オレもどうしていいかわかんないけど」
またボールを転がす。
「オレがどう思うかじゃなくて、ルウコがどうしたいか、なんじゃねぇのかな?」
「そうだろうけどさ…」
神妙な顔の幹太が座っているボールを軽く蹴った。
幹太は「うわ!」とビックリしながら尻餅をついた。
「ソウ!何すんだよ」
ビックリしている幹太を見て笑った。
「あんまり深く考えてもしょうがねぇよ。大丈夫だって」
ボクが言っても幹太はそれでも深刻な顔のままだった。