さよならLetter

最後の花火


「どうしよう!!生で見れるなんて初めて!!」


ルウコは胸の前で手を合わせて感激そうに言った。


「あんまり無理すんなよ」


ボクはそんなルウコに自分が被っていたキャップを被せた。


「大丈夫よ、それに帽子くらいちゃんと持ってるもん」


ふくれながらボクにキャップを返すと夏っぽいハットを被った。


「お前らさ、喋ってるヒマあったらテント張るの手伝えよ」


幹太が文句を言いながら必死でテントを張っている。


「あー、悪い悪い」


ボクも笑いながら手伝う。


明日香はテント前に焼肉が出来るグリルを組み立てていた。


「明日香って男前ねー」


ルウコが感心して明日香を見ていると、明日香も幹太同様に文句を言った。


「ルウコ!あんたどこぞのお嬢様よ。黙ってみてないで手伝いなさいよ」





ボク達4人は約束していた夏フェスに来ている。
< 95 / 209 >

この作品をシェア

pagetop