さよならLetter
最後の花火
「どうしよう!!生で見れるなんて初めて!!」
ルウコは胸の前で手を合わせて感激そうに言った。
「あんまり無理すんなよ」
ボクはそんなルウコに自分が被っていたキャップを被せた。
「大丈夫よ、それに帽子くらいちゃんと持ってるもん」
ふくれながらボクにキャップを返すと夏っぽいハットを被った。
「お前らさ、喋ってるヒマあったらテント張るの手伝えよ」
幹太が文句を言いながら必死でテントを張っている。
「あー、悪い悪い」
ボクも笑いながら手伝う。
明日香はテント前に焼肉が出来るグリルを組み立てていた。
「明日香って男前ねー」
ルウコが感心して明日香を見ていると、明日香も幹太同様に文句を言った。
「ルウコ!あんたどこぞのお嬢様よ。黙ってみてないで手伝いなさいよ」
ボク達4人は約束していた夏フェスに来ている。