紙ヒコーキ~君に届け


外も暗くなり、俺と美幸もゲーセンから出た。


「あ~楽しかった!」


伸びをしながら満足したように言う美幸を横に俺も自然と笑う。


「そうだな。お前が下手くそでそれ見てんのが楽しかった」


「何よ!流星だって下手くそだったじゃん!」


「俺に勝ってから言え」


あの後に俺に勝負挑んで来やがったから焦ったっての。

どんな神経してんだか…


「奢ってくれて…ありがと」


顔を逸らして小さな声で何か言っていた。
でも俺にはしっかりと聞こえていた。


「ほら、夜も遅いし行くぞ」


「え?」


「お前ん家、送ってく」


「流星って…ストーカー…?」


コイツ…喧嘩売ってんのか?


「冗談♪」


はぁ…気が狂う…
さっさと送って俺も帰ろう。


「早く行くぞ」


「あ、うんっ」


また2人並んで街中を歩いて行く。

しかし、たまたまそれを見ていた者がいた。


「あれ?流星じゃん…」


その人は、俺の隣を歩く人に驚いていた。
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