紙ヒコーキ~君に届け

翌朝
いつものように今日も早く起き、あの場所に向かった。

そして着いた時
目を疑った

「は…?」


一瞬…固まった

誰かいる

俺の

俺だけの秘密の場所に

誰かが


「おい」


怒り任せで、その人のもとに近づき

とっさに声を掛けた
「ここから消えろ」
そう言おうとした

しかし言えなかった。
振り向いたその人は…美幸だったから。


「は?な、何でアンタいんのよ!?」


「こっちのセリフ…何でお前がいるんだよ」


まだ怒りが収まらない俺は不意に冷たく言い放ってしまった。


「え…あ、うん。私…嫌なことあったりしたらここに来るんだよね」


来るって…
俺は毎日毎日来ている
しかし誰ともこの場所で会ったことなど無い


「ごくたまにね」


そう言うことか…
< 23 / 69 >

この作品をシェア

pagetop