紙ヒコーキ~君に届け
「ねぇ流星?」
「ん?」
「恋人が居たら、幸せなのかな?」
「は?」
何だいきなり?
そんなこと急に言われても…
「んーん。何でもないっ」
そうか
確かこいつ、付き合ったことないんだったけ…
「まぁよ、色々あるんじゃねぇの?楽しいこととか幸せなこともよ」
美幸は答えた俺に少し驚いていたけどすぐに前を向いた。
「そっか。恋人って良い関係なんだ」
俺の場合
そんなことは無かった
あったけど…思い出したくない
「でも辛い時だってあるからな…俺みたいに」
「流星みたいって?」
「や、何もない」
それ以上…聞かないでほしかった…
「あ、ごめん」
「俺もごめんな」
それから少しの間
俺も美幸も無言のままだった。
ただただ、波の音だけがそこに響いていた。