紙ヒコーキ~君に届け

10月


「だっりぃ」


支度しながら愚痴をこぼした。

支度を終え、いつもと変わらず秘密の場所へと向かう


「今日も…いねぇな」


あの夏休みから毎日欠かさずここに来た
でも美幸に会うことは無かった

学校でも彼女を探しても
見つからなかった


「何であんなこと言ったんだろ…」


謝りたい

メールで謝ろうとしたけど
こんな時だからこそ
直接会って謝りたい

「もう…秋か」


吹き抜ける風は冷たく肌寒かった

所々の葉が少しずつ赤く染まっていた。
それが俺を秋と連想させた。

< 44 / 69 >

この作品をシェア

pagetop