紙ヒコーキ~君に届け
10月
「だっりぃ」
支度しながら愚痴をこぼした。
支度を終え、いつもと変わらず秘密の場所へと向かう
「今日も…いねぇな」
あの夏休みから毎日欠かさずここに来た
でも美幸に会うことは無かった
学校でも彼女を探しても
見つからなかった
「何であんなこと言ったんだろ…」
謝りたい
メールで謝ろうとしたけど
こんな時だからこそ
直接会って謝りたい
「もう…秋か」
吹き抜ける風は冷たく肌寒かった
所々の葉が少しずつ赤く染まっていた。
それが俺を秋と連想させた。