紙ヒコーキ~君に届け
購買に着くまで必死に探した
どこを探しても見つからないまま
購買に着きパンを買った。
屋上に行こうとした時だった
「あ、美幸ちゃんだっ」
裕弥がいきなり訳の分からないことを口にした
それよりも、そんなはずがないっ
そう思いながらも裕弥の向く方を見た。
「…」
俺の前を美幸が歩いていた
「美幸…」
俺に気付いてないのか?
視線が合わない
その時、いきなり裕弥に背中を思いきり押された
「んだよっ」
「行ってこいよ?探してたんだろ?」
何も言い返せなかった
裕弥の言っていることが
当たっていたから…
だからそのまま美幸に近づいた
「美幸っ」
やっと会えた
嬉しくて高い声になりながらも名前を呼んだ
必ず気付いてくれる
そう思っていた
絶対に振り向いてくれる
そう思っていた
でも
何も無かったかのように
俺の横を通り過ぎて行ったんだ