紙ヒコーキ~君に届け
「気にすんなってっ流星!元気出せ元気!」
あれから必死に慰めてくれている
でも今の俺には耳に入らなかった。
「わりぃ、裕弥…早退するわ」
「え、ちょ…待てよ流星っ!?」
ごめん
お前に迷惑かけたくないんだ
掴まれた腕を凪払い俺は走った
「流星っ!」
ごめん
ごめんな裕弥っ…
ただ逃げたかった
もう何もかも嫌になる
だから逃げたかっただけだった
宛も無く街をぶらつき
人気の無い場所
路地裏にさしかかった時
肩に何かが当たった。
「お前…何ぶつかってきてんだよ?ぁあこらぁっ!」
ぶつかったのは三人の内、一人の輩だった
輩…?
はは…俺だってろくでなしの不良じゃねぇか
「痛てぇんはこっちなんだよコラァ!」
三人に殴りかかった
今はこうしてる方が楽だから
所詮、俺はただの不良
これが一番お似合いなんだよ。