紙ヒコーキ~君に届け


裕弥と別れた後、俺はいつもの場所に来ていた。


高くて景色の良い場所
空が近く感じれる
またそれがたまらない


「やっぱ綺麗だな」


夜景も星も俺を癒やしてくれる
夜景は地上に散りばめた星のように見える。

飛びたい
自由になりたい

そして

幸せになりたい


「もうこんな時間かよ」


携帯で時間を確認したら22時前だった

俺はこの場所を後に早足で家に帰った。


「ただいま」


こんなことを言っても返事は無い
誰もこの家にいないから。

何せこの家で暮らしているのは俺独りだけ。


「あぁ~疲れた。シャワーシャワー♪」


俺が小6の時に両親が離婚した
母親は懸命に育ててくれたけど…
俺が中3の時に
病気で亡くなった。


「やっぱりシャワーは気持ち良い!ってな♪」


誰も返事してくれない
でもこうして喋っていないと寂しくなる


「…寝よ」


慣れたようで慣れない寂しさ
だから俺は暇なら寝るのが家での決まりにしている。

しかしあまりにも寂しくて寝れない時もある

幸い、今日は疲れていてすぐに眠れた
それはそれで良かった
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