紙ヒコーキ~君に届け
帰っている途中
三人は一言も喋らず沈黙が続いたまま。
「なぁ裕弥」
「んぁ?」
「さんきゅな」
親友に礼を言うと
照れたのか「あぁ」とだけ言って黙ってしまう。
美幸は俯いたまま
「おい馬鹿」
「ぇっはいっ…って誰が馬鹿よ!」
美幸はもう元気みたいだ。
「お前、いつも男に絡まれてるよな」
からかうように言うと、案の定突っかかってきた。
「そんなこと言われても仕方ないじゃん!」
「はいはい」
後ろの方で裕弥は苦笑いをしながら楽しそうにしている。
「何よっ」
「べっつに」
それに気付かず俺らは言い合い。
さっきの件はどこに行ったのやら…
でも良かった
美幸はもう立ち直っている
俺みたいな過去なんてコイツには要らないからな
だから良かった…