紙ヒコーキ~君に届け


秋が過ぎ去り枯れ葉が舞う

それは冬が訪れている合図


--枯れ葉になると冬が来る--


いつか誰かに聞いたような


あれからとは言うものの

何のトラブルも無く裕弥とも美幸とも仲良くやっている


美幸と居る時間も増えて

学校では俺と美幸
そして裕弥と裕弥の彼女の坂口

この4人で居る事が多い


『不思議カルテット』


周りからコソコソとそう呼ばれ始めた。

なんて
そんな事はどうでも良い。


「メリークリスマ~ス!」


「早ぇ~よばぁか」

「え?だってもう冬じゃん?」


あのな美幸

まだ12月にもなってないんですけど?


って言ったらまたうるさくなるから黙っておく。


「俺、サンタさんに何お願いしようかな」


はぁ~…
頭が痛くなってきた

せめて坂口だけは…


「裕弥と年越ししてから初詣行ってそれから…」


クリスマスの欠片もねぇよ…


学校の屋上で噛み合わない話に華を咲かせている時だった


「クリスマスの日、4人でパーティーしねぇ?」


裕弥の一言で周りが静かになった

裕弥も「え?何?何か悪い事言った?」なんて言っている。


「良い!しよしよ!」


「私も賛成さんせぇい!」


先に美幸が答え
後に坂口が続く

俺も反対はしなかった

どっちかと言ったら賛成派だ。

屋上はさっきよりも賑やかになっていた。
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