弱虫スピリット
そこには紫乃と、
今朝知り合ったばかりの
冴梨がいた。
「バスケ部入るの?」
「うん、二人で
相談したんだけどね、
運動好きだし
バスケ楽しそうだから♪」
「そうなんだ!
じゃあ一緒だね」
『二人で』ってことは、
紫乃と冴梨は
同じ部活に入るつもり
だったのか・・・。
会話中の二人は
常に笑っていて、
そこにいるのは
私の知っている紫乃とは
ちょっと違う紫乃だった。
小学校の頃は、
当たり前のように
お互いを一番の友達と
呼び合っていたのに、
今はまるで冴梨に
ベッタリだ。
いや、正式に言えば
冴梨「が」かも
しれないけど。
小学校の頃に
仲良かった子とは
ワケあって一緒にいたくない
私にとっては、
親友の紫乃を独占されるのは
結構キツい。
そういえば、
周りを見渡すと
ほとんどの子は
友達と一緒に来ている。