弱虫スピリット
「中学と言えばさ、
やっぱ部活だよね☆」
紫乃がふわふわした
笑顔を向けながら言う。
「うんうん!私、
部活始まるの
超楽しみなんだ〜」
―そう。部活。
部活は、
この前まで小学生だった
私にとって、
とても楽しみなものだった。
中学生に憧れる半分は
部活が始まるからだった。
「飛鳥さ、もう何部に
入るか決めてる?」
「うん。
私はね――
バスケ部に入るよ!」
バスケットボール。
小6の後半だけだが
クラブチームに入っていて、
楽しかったので
中学でも続けようと思っていた。
みんなで
スポーツをしながら
汗や涙を流す―・・・
そんなドラマやマンガで
よく見るその光景は
まさに私の、
部活の『理想像』であった。