男の中の女.~love story~
学校帰りのローソンの駐車場で
夏樹はアタシにそう聞いてきた。
「にしても、飛鳥って
好きな男とかいねーの?」
「はあ?
…そんなこと考えたことなかった」
アタシはそう言い
ローソンで買ったアイスの袋をあけ
かぶりついた。
「え、じゃあタイプの男子とかっていないわけ?」
歩が興味津々で聞いてきた。
「いや、別に…」
何だか、
自分のことを女扱いされてることにイライラした。
まあ、それが当たり前なんだろうけど。
だって自分は女だし。
ふ~ん、と夏樹と歩は
面白くなさげな表情を浮かべた。
するとローソンを出てきた女子が
声をかけてきた。
「あ、あのっ!
喜多高の生徒さんですよね?」
髪をくるんくるんに巻いた
香水臭い女はそう言った。
「あ~、うん」
歩は面倒臭そうに返事をした。