男の中の女.~love story~
「結城先生~~♪
ここ、教えてくださぁい☆」
結城の担当する数学を
教えてもらおうと
みんな必死でアタシたちの教室に来る。
結城はそのちやほやに便乗(?)して
「ここか?ここはな・・・」
ちゃっかり薄い笑顔なんか見せちゃって
いい先生ぶりを生徒に振りまいている。
結局は男子にも女子にも人気が
あるというわけだ。
しかし、それも全部偽造。
演技なんだ。
アタシは見てしまった。
放課後一人で帰っていると
結城が校門の外で
小さい小包を手に持ち
うろうろしていた。
それは、家庭科部から
もらったクッキー。
どうするのかと
見ていると
結城は周りを気にすることもなく
それをゴミ箱に捨てた。
「あ」
アタシは思わず声を上げてしまった