男の中の女.~love story~
アタシの声に気づいた結城は
こっちをずっと見つめてくる。
仕方ないので
アタシは結城のもとに行った。
「先生~?
アタシ今、ばっちりみちゃった~」
アタシは気味悪く結城を見た。
「あ~、みられたか」
結城はしまった、という顔をした。
「俺さ~、クッキーだけは
どうも苦手で・・・今日だけだよ?」
ふ~ん、分かりやすい嘘。
アタシは結城を押して、
ゴミ箱を覗いた。
「アレレ?たっくさん入ってるけど?」
すうと結城は観念したように
ため息をついた。
「あ~、クソ。
俺な、甘いもん苦手だし
ぜってー食えねえからいつもココに捨ててる」
そういい照れくさそうに頭をかいた。
「アタシにくれれば
たべてやんのに」
「いーや、遠慮するわ。
子供とか信じられねーし。
お前皆にバラして俺の評判下げる気かよ」
結城はそう言い、校門をくぐり、
また校内に入っていった。