男の中の女.~love story~


「テキストみろ」

「もってないです」

「誰かに借りろ」

「誰もいません」

「もうちょっと考えろ」

「もう無理です」



すると結城は観念したのか
立ち上がりアタシの後ろに立った。

「ちょ、結城・・・」

「呼び捨てすんな。
 俺はさ~、昨日からムラムラしてんだよ
 分かる?」

ムラムラって・・・
結城、あんた昨日の夜・・・

「結城せんせー、彼女いんの?」

「はい、いーから」

結城は自分の手で
アタシの手を覆いかぶせ
思いっきり掴み、シャーペンを走らせた。

スラスラと書かれる式。

と、同時に背後の結城を意識する自分。
クソ暑いのに、密着すんなアホ!



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