男の中の女.~love story~
「ア?これ使えねーや。
飛鳥、ライターもってない?」
南は使えないライターを
地面に転がらせた。
「ん、持ってるよ!!」
アタシはそう言いポケットから
ライターを取り出し南に渡す。
「サンキューな」
「あ、歩。お前2組の吉田に
告られたんだって?」
モテる男はつらいね~と
嫌味ったらしく嘆いている夏樹。
「あのね~、
俺は夏樹みたいに
チャラくないから」
歩はそういい夏樹を睨む。
「あ~??俺のどこが
チャラって!!??」
これがアタシ達の日常。
授業なんて面倒臭い。
先生もウザい。
分かってくれる人なんて
誰もいない。
アタシは一人、男の中にいるけど
彼らは自分のことを
女って思ってない。
変な感情は絶対に抱いていない。
それが、居心地良かった。