男の中の女.~love story~


「結城せんせーーいっ!」

職員室を出ると
廊下を走ってくる生徒。

「おー、どうしたっ?」

俺は作り笑いを浮かべる。

「先生って、どの季節が
 好きい~~?!」


「んー…冬?」


「えぇえええ!?なんでなんでー?!」


「雪が好きだから?」

俺は適当に話を終わらせて
さっさと職員玄関から
自分の車へと向かった。


大体、好きな季節とか
俺に聞いて何になるんだよ。

意味が分からない。



子供は苦手でも、

人に何かを教えるのが得意であり
好きでもあったから
こうして今
教師をしているんだけどな。







< 59 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop