男の中の女.~love story~
休み時間。
俺は窓際で一人
想いに耽っていた。
「歩くーんっっ!」
わざとらしく、
甲高い声を発して
こっちに向かってくるのは夏樹。
「・・・そのキャラ一体何なんだよ」
俺は視線を窓の外に向けた。
するとクラスの女子が
声を上げ、
「あっ夏樹だ~!」
「わ~、久しぶりじゃんっ!」
女子が騒ぎ出し、
ワーワーキャーキャーなった。
あーもう、こいつといたら
いつもコレだから面倒臭い。
ま、もう慣れたんだけどね。
「夏樹と神崎くんって
仲良いよね~!」
女子Aが声を漏らす。
「まーな!俺たち一心同体だしい☆」
無理やり肩を組まされる俺。
「てか、神崎くんて誰だよっ!
歩でいいっつのー♪な、歩」
コイツ、何無断で人をファーストネームで
呼ばせようとしてんだよ。
「そお?なんかなんかあっ
神崎くんって、近寄り難いモンね?ね?」
女子Bが俺の目の前で堂々と発言する。
・・・・俺、近寄り難い?
しかもそれを本人の前で。