男の中の女.~love story~


お前たちに
俺等の何が分かんだよ。

「お前等、いい加減にしろよ」


夏樹の大声が教室に響く。
教室が一気に静まり返る。

その瞬間、
教室に、飛鳥が入ってきた。


飛鳥…!


その瞬間教室は更に凍る。


「歩たち~、ここいたんだ!
 メール返してくんないしさ・・・って・・・え?」


この空気に戸惑う飛鳥に
俺はイスから立ち上がり
無意識のウチに近づいていた。

「あ、ゆむ・・・?」
夏樹の声なんて聞こえていなく。


そしてそのまま
彼女に近づき
そっと唇を奪った。


教室には飛鳥の
厭らしい声が響く。

「歩・・・・・!?」
夏樹は目を凝らす。


俺は女子達をしれっと
横目で窺い、そのまま続けた。



それから唇を離すと同時に
目にたまった涙を堪えた
飛鳥は走って立ち去った。


「・・・女として見てなくて
 こんなこと、出来ると思う?」


俺はそう吐き棄て
教室を出た。






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