男の中の女.~love story~
キーンコーンカーン…
昼休みのチャイムと同時に
俺は一目散で屋上に
駆け上がる。
ドアを開けると、
そこには南。
「アリ?お前はやいなあ!」
「あー、4時限目サボったから」
なるほどな。
俺はそうやって
地面にぶっ倒れる。
「眠いわーーー」
「…夏樹」
南の声に反応して振り返る。
「お前、その顔何だよ」
顔?
ああ、顔ね。
頬ね。ホッペタネ!
「今日はじめて触れられたよこの顔」
皆、誰も触れてこなかったのは
先日の事件を知っていたからであろう。
「南、お前何にも知らねーだろ」
「多分な。俺興味無いから」
興味無いも何も…
「コーレ。コノ腫れは
女からヤラレター☆」
南の顔は歪む。
「オ、女ァ?情けねーな」
「だろ?…俺もそう思う」