男の中の女.~love story~
「・・・ごめんな」
突然の謝り。
歩をチラッと横目で窺うと
そこには哀しそうな顔があった。
「あゆむ・・・」
「俺さ、こんなタイミングを
狙ってたワケじゃないんだ」
ただ・・・どうしても
女子が言ってた言葉が
俺には許せなくて。
お前のことは、男同然に
接してるけど・・・それでもやっぱ
男なんて思ったことは一度もなくて。
歩はそういい薄く笑って
頭をクシャリとした。
私は、女子達が
何て言ったのかは聞いていないけど
何となく、察知した。
「俺、さ。
お前のこと、好きなんだよね」
アタシに体を向けて
堂々と言い放つ歩。
「お前が誰を好きでも
俺は飛鳥が好き」
真剣なまなざし。
出来ればこの想いに
答えたかった。
だけどアタシは。
もう戻れない。
結城…先生を
忘れるなんて無理。
ゴメンな、歩…