男の中の女.~love story~
「だって顔!ほら!
赤いよ」
アタシは冷やかす。
どこまで子供なんだ自分。
「黙れ」
「黙らないって!
ほら、鏡見てみ?」
アタシがポケットから
鏡を取り出そうとした時
片方の手を取られて
気が付けば唇が重なっていた。
「・・・・・・だから黙れっていったじゃん」
意地悪く笑う目の前の20代前半の男性。
コイツもガキみたい。
アタシはなんだか
ソレが無償に愛しく想えて
思いっきり抱きついた。
先生とか、生徒とか
ここでは全然カンケーない。
誰もいない。
2人だけの空間。
「卒業するまで、待っててね」
「当たり前だろ。
俺をニートにさせる気か」