TRUMP
「そんなに、イライラした気をまとって、石に触れば、弱い石は、たちまち陰のパワーをまとう。そんな物をお客さんへ売るわけにはいかない」



あ!



蘭さんの言ってることがわかった。


「ごめんなさい」



そうだ。



石には関係ない。



心を落ち着けなきゃ。



そう思っていた時に、響さんと海斗さんが、2人でお店に戻って来た。


あたしは、海斗さんの顔を見ると、さっきの場面を思い出し、またムカムカとしてきた。


「どうした?藍ちゃん」


響さんに聞かれて。


「い〜え、別に」


と答えた。


そして、海斗さんを、冷ややかに見る。


「なんだよ、その目は。お前に、そんな目つきされる覚えはねぇよ」


「最初からこんな目つきですぅ。ど〜も、すいませんでしたぁ」


といって、あっかんべーとして見せた。


「こっの野郎」


海斗さんは、殴りかかって来ようとした。


「きゃ〜」


あたしは、頭に手を置き、逃げようとした。


「こら、海斗」


響さんが、海斗さんを制した。


「何が原因なんだ。いったい」


響さんは、蘭さんを見たが、蘭さんは、ゴホンと軽く咳ばらいをすると、その場を去って行った。


「え?」


響さんは、わからずあたしの顔を見た。


「だって!海斗さん!!」


「オレが、な、何したんだよ!休憩中に、ど、どこから出て来ようが、お、お前には関係ねぇだろ!」


「なんだ?」


「関係ないわよ!海斗さんが休憩中に何してようが、全っ然関係ないけど、出て来た場所が、嫌なの!」


「出て来た場所?海斗、どこから出て来たんだ」


「え?それは……。その……」


「なんだ、言えない場所か?」


響さんに聞かれて、はっきり答えられない海斗さんに変わり。


「アダルトショップですよ!」


と答えた。




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