TRUMP
あ、申し遅れました。


あたし、藍って言います。


負けず嫌いな、17歳の女の子です。


気合いを入れてラピスラズリに入ったら、あまりのお客さんの多さに動けなくなった。



こんなに、繁盛してるの?



そりゃあ、アルバイト募集するよねぇ。



あたしは、人込みを掻き分け、レジへ進んだ。


綺麗な女性店員さんが、レジにいたが、レジも並んでいて、なかなか話し掛けるタイミングがなかった。



う〜ん。



悩んで、他に話せそうな、店員がいないか、見回した。


「すみませ〜ん……」


あたしの声は、誰にも届かなかった。



はぁ〜。



困ったなぁ。



みんな、接客中だぁ。



「お嬢さん、何かお困りですか?」


突然話しかけられ、振り向くと、黒髪に長身のイケメンが、ニッコリ笑いながら立っていた。



ドキンッ!!!!



か、かっこいい……。



「よろしかったら、アドバイスしますよ?」


3秒ほど見つめて、我に返った。


「あ、いえ!すみません!あたし、あ、私、面接に来たんです!すみません!店長さんはいますか?!」


顔を赤らめながら、店員さんに、あいさつをした。


「あぁ、面接ね。じゃ、こちらへ」


店員さんはニコニコしながらあたしをレジ奥の扉へ案内した。


「はい」


あたしは、その人が誰かもわからず、とりあえずついて行った。


その人は、奥の部屋に入る間際に、違う男性店員に目配せをした。


すると、その男性は、接客中の女性に、優しく語りかけ接客をやめると、同じ奥の部屋へ入って来た。


後から来た男性も、かなりイケメンだった。


この人も、黒髪の長身で、細淵の眼鏡をかけていた。


「すみません。慌ただしくて」



この人が、店長さんかぁ。



店長さんといい、最初に声をかけてくれた店員さんといい、ホントにイケメンが揃ってる……。



最初に声をかけてくれた店員さんは、紅茶を入れ、お菓子を出してくれた。



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