TRUMP
あんまり唐突に切り出されると、うまく聞けない……。


「え〜っと、ですね、まず……ここの部屋は、ア、アダルト、ショップ……じゃ、ない、ですよね……?」

「うん、違うよ。ごめんね、嘘ついて」

「なんで?なんで嘘ついたんですか?」

「藍ちゃんに間違って、部屋に入って欲しくなかったからだよ」

と言われた。

「え?ま、間違えないですよ。貼紙あるし」

あたしは、軽く笑った。

「なかったんだ。今まで」

「???」

「藍ちゃんが来るまでは、あの貼紙なかったんだ」

「そぉ……なん、ですか」

「同じドアがあると、万が一間違えてしまうこともあるからね。だから海斗に、対処しとけ。って、言っといたら、あの貼紙だったんだよ。ま、わかりやすいっちゃ、わかりやすかったけど、興味もったようだったから、ちょっとひねってみた」

「それが、アダルトショップだったんですか?」

「うん」


それって……。


ひねったのかな……。


「でも、興味はなくなったでしょ?」


まぁ……。


確かに……。


「藍ちゃんの性格なら、そういう関係のお店なら興味持たないと思ったんだ」

「どうして?わからないじゃないですか」

「わかるよ」

というと響さんは、私を優しく見つめた。

「お、お子様だから、ですか?」

あたしは目線を外し、少しすねながら聞いた。

「前に、僕が藍ちゃんにせまった時、藍ちゃん逃げただろ?」

言われて、目を閉じた響さんが、顔を近づけて来た時の事を思い出した。

「だって、あれは!突然あんな!」

「あぁいうのって、性格がでるんだよ」


性格?


「藍ちゃんみたいな純粋な子は、僕の持論からいうと、下ネタの話しに興味がない」


まぁ、確かに……。


「自分に興味がない物、もしくは、ない事には、とことん興味が無く、人に勧められても動こうとしない」


あたらずとも……って奴?


「よって藍ちゃんは、僕の一言によって、この部屋の詮索はなくなったわけだ」


まぁ……。


そんなところですかね……。


「ところで」

逆に質問された。



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