TRUMP
あの日以来、響さんは、何事もなかったかのように振る舞い、あたしも、TRUMP加入の話しはしなくなった。

皆が、忙しそうにしてる時は、手伝いたい気持ちがでるが、あたしは、響さんの言葉を胸に、ラピスラズリを一人でも店番出来るように、パワーストーンの勉強に励んでいる。

お客さんがいる時は、積極的に声を掛けるようにしている。

わからない事は、蘭さんに聞いて、たまに石の力のいいものを見てもらったりしている。

そんな努力のかいがあってか、あたしにも何人かの固定客が付くようになった。

あたしの腕にも、パワーストーンのブレスレットが増えていた。

そして、今日もあたしの声が、休憩している皆に、秘密の合言葉を伝える。

「ハートのトランプご希望のお客様お見えになりましたぁ!!」



−おわり−




< 40 / 41 >

この作品をシェア

pagetop