偽りの仮面 真実の愛
「……下…衆…」
はたき落とされた手を抑えたまま、どこか虚ろな瞳をしたまま女は呟いた。
この地に古くから住んでいる魔女は、これまでもその美貌で多くの王族を虜にしてきた。
この世で私に夢中にならない男などいない……そう思ってきた。
しかし目の前の男は違う。
蔑んだような瞳を向け、これまで浴びせられたことのないような言葉を言う。
この私に――。
この美しい私に――――っ!!
その瞬間、魔女はその美しい瞳をカっと見開いた。