偽りの仮面 真実の愛


ほんの一瞬、ふたりの間に沈黙が漂う。



「今日は……、エボンの家でご飯をご馳走になるかもしれないんだ」



【エボン】、それはマトよりも少しだけ年上で、村の子どもたちの間でもリーダー的存在の少年の名前。



マトとは仲がよく、何回か家に遊びに来たこともある。



「そう。なら失礼のないようにね」



エボンの名前が出たことで安心したリネットは、にっこりと微笑むとマトの頭に手を置いた。



――いつものように。


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