偽りの仮面 真実の愛
そんな王子の妖艶な姿に、その場にいた人間は全員言葉を失った。
――なんと美しいのか……
その口から発っせられる言葉はどんなに酷かろうと、その美しさに目を奪われずにはいられない――…
そんな美しい王子の横で、ただひとり、王だけが盛大にため息をついた。
「まったく、おまえは……」
そんな自分の父である王の言葉にも全く耳をかさず、王子は目の前に用意されたワインをグイっと飲み干した。