【BL】恋の意味
「なんで、怒ってんの?」

1人暮らしをしているらしい、センセの部屋は嫌みなくらいキッチリ整頓されていた。

「何でもクソもあるかよ!!急に辞めるなんて…!」

ベッドに足を組んで座っているセンセに、詰め寄る。

「空弥、オレのこと嫌いだろ?…いいじゃないか。」

………………嫌い?
………………誰が?
………………誰を?


「んなこと!いつ、誰が言ったんだよ!」

がうっ、と噛み付くように叫ぶ。


―信じらんねー!なんだよ、それっ!


「勝手に決め付けんなっ!」

「じゃあ、好き?」


…………………………………はっ?


「空弥は、オレのこと好きか?」

…好きか、嫌いかときかれたら…

「………すき?」

な方だと思うけど。
はてな、と頭を傾げて答えると、センセが急に腕を掴んできた。

「そう。じゃあ、いいよね?」

「えっ?……うわっ!?」

そのまま腕を引っ張られ、思わずセンセのうえに、倒れ込んだ。
腕が腰に回り、グッと力を込められた。
近くなる体温。

不意に心臓が、高くはぜた。
バクン、と音をたてる自分が信じられない。

「…空弥?」

センセのきれいな顔が近付く。
甘い声が、思考を鈍らせる。


―ああ、やべ…、落ちる…

< 21 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop